2024年5月2日木曜日

アメリカで妊娠中に妊娠糖尿病と診断されたら〜検査方法・基準・食事療法(前編)

アメリカ・ハワイ州で高齢出産 +妊娠糖尿病

私はアメリカ、ハワイ州で子供達を妊娠・出産しました。

二度の妊娠とも、高齢出産でした。
子供達の妊娠中に妊娠糖尿病と診断され、
妊娠28週目から出産するまで食事療法をしていました。

妊娠糖尿病と診断された時には、胎児が巨大児になる危険性がり、
自然分娩で出産したいと思っていた私としては、
それが叶わないのではないかと、心配になり、戸惑いました。

妊娠後期は、血糖値が正常範囲なになるように、
食事に気をつけながらコントロールし、
無事に2人とも自然分娩で産むことができました。
ここでは私が経験した、アメリカの妊娠糖尿病の検査について、
また検査に引っかかった後の血糖値のマネージメントや
食事療法について残しておきたいと思います。

妊娠糖尿病とは

妊娠によってお母さんの胎盤から幾つかのホルモンが出ます。
それらのホルモンが、膵臓から出ている、血糖値を下げる働きをする
インスリンというホルモンの働きを抑制してしまうために、
血糖値が正常範囲内を超えて高くなる状態を妊娠糖尿病と言います。
アメリカでは大体、妊娠24〜28週前後に
妊娠糖尿病のスクリーニングとして、
グルコース糖負荷試験(血液検査)を行います。

妊娠糖尿病になりやすい人はいる?

*オーバーウェイト(肥満)の人

* 35歳以上の高齢妊娠・出産の人

*糖尿病の既往がある家族がいる

*妊娠中の急激な体重の増加

などが、よく言われています。

私の場合、妊娠中の体重コントロールは、夫の協力もあり、
2度の妊娠中どちらとも、最高で10パウンド ほど増えたのみで、良好でした。
しかし、他の3つの条件に当てはまっていたので、
ハイリスクだったと思います。

いろんな方がいると思いますが、私以外の人で言うと、
ヘルシーな食生活をしていて、ランニングが趣味と言う
とてもスリムな日本人の友人も、妊娠糖尿病と診断されたり、
反対に私の職場の同僚の白人のアメリカ人は、
とても大きい人(おそらく200パウンドを超えている)でしたが、
妊娠糖尿病とは全く無縁で出産を迎えていました。
妊婦さん一人一人、その状況が違うので、
全ての妊婦さんにスクリーニングを行うのは良いことだと思います。

妊娠中に血糖値が高いとなぜダメなのか?

妊娠糖尿病は自覚症状がほとんどないと言われています。
実際、私も何も感じませんでした。
ただ、妊娠糖尿病を治療せずにいると、
母体とベイビー両方にとってよくありません。

ベイビーへの影響

*巨大児になる危険性(帝王切開になる可能性がある)

*新生児低血糖

*発育不全

などがあげられます。

母体側への影響

*流産・早産の危険性

*羊水過多やその他の疾患の併発

などがあげられます。

私の場合は、自然分娩を希望していたこと、
また高齢妊娠・出産ですでにハイリスクだったので、
妊娠糖尿病と診断されてからは、
これよりもリスクを増やさないようにと
血糖値のコントロールに細心の注意を払いました。

糖負荷試験(1次検査)

妊娠糖尿病の一次検査は、妊娠28週の検診の時に、
かかりつけの産婦人科の先生のクリニックで、
最初のスクリーニングがありました。

クリニックに到着して、チェックイン、
ルーティンの尿検査をした後、
ラボから来たテクニシャン(採血をする技師さん)から、
下の写真に写っている飲み物を渡されました。

 

この時はオレンジ味しかなく、冷蔵庫で冷やしていたものを持ってきてくれました。
技師さんによると、レモン味のほうが飲みやすいっとのことでしたが、
この日はあいにく品切れ中。
この砂糖水を5分間のうちにのみきるように言われます。
そして、飲みきった時間を確認して、
その後きっちり1時間後に採血となります。
こちらがその準備中のところ。

気になる、砂糖水のお味の方は、激甘。😱
前日はファースティング(前日の夕食後から絶食)をしていっていたので、
空腹にこの甘すぎる砂糖水を飲みきることは、
私にとってかなりこたえました。
1時間待っている間に、先生との受診と
ベイビーのチェック(エコー検査はなく、触診と心音の確認のみです)、
その後、時間どうりに技師さんがきて採血をしてくれて検査終了。

翌日に結果が出るということで、帰宅して検査結果の電話待ちとなりました。

一次検査の結果と精密検査の必要性

次の日に、産婦人科の先生のオフィスから、
妊娠糖尿病のスクリーニングに引っかかったので、
精密検査が必要ということで連絡がありました。

次のステップである糖負荷の精密検査は3時間かかるという説明があり、
先生のオフィスではなく、家の近くにある血液検査ができる
ラボのオフィスに行き、検査をするように言われました。
血液検査のオーダーは先生の方から、
私の家の最寄のラボのオフィスにFAXしてもらいました。
ラボに電話をしてオフィスの時間を確認しましたが、
予約は必要なくファーストカム・ファーストサーブ(オフィスに来た順に行う)
とのこと。

糖負荷試験 (2次検査)の準備と過程

検査前日、夕食を食べた後、ファーステイング開始。
翌朝、12時間の絶食のあと、空腹でラボのオフィスに行きました。
徒歩で、5分ほどのところです。
まずはチェックイン。
ID(ハワイ州のドライバーズライセンス)と、
加入している医療保険のカードを提示します。
先生からの採血のオーダーがきているかを確認し順番を待ちました。

朝、6時半で1番乗り!っと思ったら、私よりも早く来ている人が2人も!
さて、肝心の血液検査ですが、
採血は計4回しました。
・空腹時・砂糖水を飲んでから1時間後
・砂糖水を飲んでから2時間後
・砂糖水を飲んでから3時間後また、

あの砂糖水の摂取です。

本当に甘いので、飲んだあとはいつも胸とお腹がムカムカします。
検査の間はラボのオフィスで待機しました。
動き回ったりすることで糖が消費されると
検査結果が正しく出ない為と説明されました。
本を持って行ったので、それを読んだり、
携帯を見て過ごしましたが、長かった。
翌日には結果が出るということで、最後の採血後、帰宅。

グルコース糖負荷試験の検査基準

⬇︎のアメリカプレグナンシーアソシエーションのウエブサイトによると、 

https://americanpregnancy.org/prenatal-testing/glucose-tolerence-test/ 

The American Diabetes Association が出している検査基準は以下のようになっています。

精密検査でも引っかかり、専門医受診が決定

翌日、産婦人科の先生のオフィスから連絡があり、
グルコース糖負荷試験でもやはり引っかかってしまい、
妊娠糖尿病の専門医への受診が必要という旨を伝えられました。

私の場合は、4項目のうちの2つが、基準値よりもやや高めだったということです。

電話口で、専門医のオフィスの住所と電話番号を教えてもらい、
その後、予約の電話を入れました。 

予約の際には、かかりつけの産科医の紹介であること、
医療保険の種類、妊娠の履歴、などについて聞かれました。
また、かかりつけの産科医からの紹介状(Referral = リファーラル)と
血液検査の結果が専門医のオフィスにFAXされているかの確認をしました。
専門医受診の目的は、これから始める妊娠糖尿病のマネージメントのための
コンサルテーションのステップの一つです。

オフィスは、お産をする予定の病院の中に入っていたので助かりました。
まずは受付でチェックインをしてコンセントフォーム(説明と同意)にサインします。

その後ナースに呼ばれ、尿検査のあと、診察室に移動して
バイタル測定とインテイク(問診)を行います。
それが終了すると、ディスポーザブルの診察着に着替えて専門医を待ちます。
 

待つ事5分、専門医登場。妊娠糖尿病の専門医による短い問診の後、 

*なぜ妊娠糖尿病のマネージメントが大切か

*食事療法の重要性

*妊婦用ビタミン剤の服用の重要性(すでに飲んでいたのですが、出産まで継続すること)

*妊娠糖尿病のベイビーへの影響血糖値のコントロールができない場合はどうするか、

などの説明を受けました。

その後、ベイビーの診察と血液検査をしました。
最後に、後日行なわれる自己血糖値測定の方法と食事療法についての
3時間のクラスに予約を入れて終了。全部で45分程で終わりました。

後編では、自己血糖値測定の方法と食事療法について書きます。


<話が少し妊娠糖尿病から外れますが、、、>
私は妊婦用のビタミン剤は妊娠する3−4ヶ月前から摂取していました。
私が使っていたアメリカの妊婦用ビタミン剤は、サイズがとても大きく、
匂いがちょっときつい場合も多いので、つわりがほとんどなかった私でも、
とても飲みにくかったです。
アメリカ在住の方で、日本から葉酸を含む妊婦用のビタミン剤を
日本から調達できる場合は、そちらの方が飲みやすい場合もあるので、
ご検討される価値はあると思います。

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