2024年5月3日金曜日

アメリカで妊娠中に妊娠糖尿病と診断されたら〜検査方法・基準・食事療法(後編)

前回の投稿では、妊娠糖尿病とその診断方法 について、

私の経験を書きました。

今日はその後編ということで、食事療法の方法と血糖値測定のクラスについて

書いていきます。

妊娠糖尿病の食事療法と血糖値測定のクラス

妊娠糖尿病の食事療法と血糖値測定のクラスは、
出産予定の病院の2階にあるカフェテリアの一室で行われました。
クラスに来た妊婦さんは私を含めて5人。
妊婦さんのエスニシティは様々で、日本人は私一人。

血糖値の測定方法を習うクラスの様子

クラスは3時間で、初めのセッションではナースが、
妊娠糖尿病のマネージメントがなぜ大切かっという説明をした後、
妊娠糖尿病について20分程のビデオを見て、
続いて5分程の臍帯血バンクについてのビデオを鑑賞。

次に、血糖値測定の説明とデモンストレーションに移りました。
加入している医療保険により、測定器の種類が違う妊娠さんがいましたが、
基本は一緒。

  TRUE METRIX® Meter Starter Kit

上のリンクにある血糖測定器が、私が使っていた血糖測定器に限りなく近いモデル。小さくて、コンパクト。専用のケースに全ての物品を入れることができて、持ち運びも便利でした。

かかりつけの産科の先生からの処方箋がある場合、
最寄りの薬局に処方箋を送ってもらうと、加入している医療保険によっては、
血糖測定器、専用のチップと針も保険でカバーでき、薬局で受け取ることができます。医療保険でカバーされない場合は、先のリンクの様に、オンラインでの購入もできます。


血糖値の測定は、朝の空腹時、毎食後1−2時間後の計4回の測定です。
測定結果は専用の手帳に記入していきます。


   TRUE METRIX® Meter Starter Kit

詳しい使い方は、使用する血糖測定器で、YouTubeなどで動画があったり、手順ごとに写真付きの説明書があるので、すぐになれると思います。

基本的には、血糖測定器に専用のチップを接続し、針をセットしたディスペンサーを指に押し付けること、少量の血液が出てきます。チップの先端を血液に近づけ、血液を吸い取らせます。十分な血液がチップに吸い込まれたら、測定器が自動で、血糖値の測定を始めます。10秒くらいで血糖値の測定が終わります。 測定値をノートにその都度記入。
もし記入し忘れた場合は、メモリー機能があるので、
何回かさかのぼってのテスト結果を見ることができます。

食事療法のセッション

次のセッションでは、栄養士さんが来て、
食事療法について説明してくれました。

1日に3度の食事と3度のスナックタイムがあります。

食事療法は炭水化物の摂取量のコントロールが主な課題です。

 

⇧ 写真の様な模型を使って、炭水化物の適量を、目で教えてくれます。

何単位の炭水化物をどのくらい、いつ食べるかっというのを、
計量スプーンを使って測っていきます。カロリー計算は全くないので、
それはちょっと驚きました。

その後、食事療法に関する20分ほどのビデオを見ました。
レクチャーの最後に、参加しているお母さん全員が、
炭水化物の摂取量の計算ができているかを確認する為に、
個別に設定された食事とスナックの時間表に、
どのような食べ物をどのくらい食べたらよいかっというのを、
各自が記入して行き、栄養士さんがチェックして終了。
炭水化物の計算だけで、カロリー計算をしなくていいので、
私としてはとても助かります。

食事療法のセッション後には、サンプルのランチが参加者一人ひとりに提供されました。
結構なボリュームでした。
これだけ、食べても糖質オーバーでないの?!と、初めはびっくりでした。

食事療法というと”食べられない” とか、食べる量を減らすっということを
連想していた私にとっては、ちょっと驚きでした。
要は糖質を制限するだけなので、それ以外のものは食べられるし、
食事療法中も空腹感を感じることはなかったので、うまく続けられました。

妊娠糖尿病の食事療法のマネージメント

血糖値の測定と、食事療法を開始してから、
1週間ごとに担当のナースに血糖値の結果と体重を電子メールで送って、
指示を仰ぎます。これは、ベイビーが生まれるまで続く作業だったので、結構、大変でした。
時々、血糖値を計り忘れたりした場合は、そこは空欄で出し、
できなかった理由を記入して送りました。
(子供と昼寝してたとか、仕事中で抜けられなかったっとか)

できない時があったからと行って、怒られることは全くありませんでした。

メールには血糖値の結果の他に、そのときに気づいたこと、
血糖値が高かったり、低かったときに何かのイベントがあったら、
それも記入して送っていました。
ナースから、毎週返信があり、今の状況が良いかどうか、
改善する必要があるかどうかなどが送られてきます。

血糖値のコントロールが安定している場合は
1日4回の測定回数を2回に減らしてもらえます。
私は息子の時も娘の時も減らしてもらえました。
もちろん、毎日4回測っても大丈夫です。
また、サンクスギビングや、クリスマスなど、ホリデーが近づいて、たくさん食べる機会が増えることもあり、担当のナースから、血糖維持を頑張ってねー!っと励ましの言葉が送られてきたりしました。

血糖値測定器の付属機器・サプライが不足したら

この場合、産婦人科の先生又は、
血糖値の結果を送っているナースに処方箋を書いて、
最寄の薬局に処方箋のオーダーを送ってもらうことで、
追加購入することができます。
私の場合はCo-payを除いた他は、加入していた医療保険で全てカバーされました。
私は血糖値測定用の針とチップが途中でもっと必要になりました。
ご自分が加入している医療保険が、必要物品の入手に使えるかどうか、
必ず事前に確認しましょう。
保険がない時は、自己負担になり高額になる危険性があるので、補助について、かかりつけの医師やナースに相談することをお勧めします。

食事療法以外に気をつけたこと

適度な運動が大切ということで、毎日30分ほど、
夫とウォーキングをしていました。
ウォーキングの時間に2人で出産の時の
シュミレーション(自然分娩で、無痛分娩ではなかったので、呼吸法とか)や、
出産後のサポート体制の確保など、またその時の話題の映画や、
他愛もないお話をしていました。
それが結構リラックスになる。
また、私は、仕事も出産日(息子)・出産前日(娘)までしていました。
私にとっては直前まで仕事をしていたことで、
生活のリズムを崩すことなく体重管理をうまくこなせました。

”いつから産休に入るか?” っというのは、お母さんの体調によりますので、
主治医の先生と良く相談して、決められるといいですね。

出産までのベイビーのチェック

かかりつけの産婦人科の先生には定期的に受信していました。

私は、2度の妊娠とも、高齢出産で、ハイリスクだったので、かかりつけの産婦人科医の他に、ベイビーの専門医や、妊娠糖尿病の専門医にも受診していました。

そのせいもあって、胎児のエコー検査も、普通の妊婦さんと比べると多かったと思います。

予定日が1週間後に迫った時に、

*ベイビーが巨大児化していないか?
*普通分娩ができるか?

などを決めるため、ソノグラム(胎児エコー)が必要ということで、
胎児専門の専門医に受診しました。

その先生いわく、胎児は大きめだけど、
この2週間で正常範囲内での成長だから、心配なさそうだねっ”っということで、
普通分娩が決定!頑張った甲斐がありました。

出産予定日当日に、無事に子供達を出産することができました。 

出産した翌日、産科の先生が回診に来てくれて、
その際に普通食へ変更となり、血糖値の測定も終了の指示がでました。
今後は、かかりつけ医(Primary Care Physician: PCP)で、
毎年血糖値のチェックをするように言われました。
出産後、幸いにも血糖値は正常範囲内に戻りました。
人間の体って本当に不思議です。

私の妊娠糖尿病中の食事療法は、糖質の制限のみだったので、
量としては結構食べられたので、空腹感がなくうまく続けられたと思います。
カロリー計算とかもなくて本当に良かった!
私は、食事療法と適度な運動により、
妊娠中の血糖値のコントロールが比較的うまくできました。

以上が私の経験でした。

尚、自宅で使用していた血統測定用の使用済みの針とチップが入った

Biohazard Sharps Containerは、退院後、最初のかかりつけの産科のお医者さんのクリニックに行った時に持参して、破棄していただきました。

妊婦さんそれぞれ、妊娠の状況が違いますが、私の経験が、これからアメリカで妊娠・出産を考えていらっしゃる、どなたかのご参考になれば幸いです。

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